2010年4月11日日曜日

Nature誌のブログに載った常温核融合記事


これも、「常温核融合は本当だった! 14」で知ったニュースです。

常温核融合研究に対して否定的な姿勢を取り続けているNature誌のブログに米国化学会での常温核融合セッションを見た感想が載りました。

否定的な見解を持っていた記者が、近年の研究成果と盛況な発表を見て、驚き、戸惑っている感じが伝わってきます。記者の関心が「過剰熱」だけに偏っているのも気になる点ですが、こうやって段々と認知が広まってくると期待したいですね。興味深い記事だったので、勝手に訳してみました。間違いがあればご指摘ください。


また、文中に出てくるSteve Krivit氏は最近ジャーナリストの域を越えて、常温核融合現象の解釈する自説を唱え始めているようで、メーリングリストではかなり批判されているようです。


以下、英文はすべて上記のNature誌のブログからの引用です。和文は私が勝手に訳したもので、Niftyの自動翻訳機能の手を借りました。★印は私のコメントと感想です。

■引用と勝手な和訳開始
Cold fusion calorimeter confusion
常温核融合の熱量計で混乱

Since its triumphal return to the ACS three years ago, cold fusion seems to have gathered momentum.
3年前に米国化学会へ凱旋して以来、常温核融合には弾みがついたようです。

Cold fusion is the nuclear fusion of atoms at room temperature, creating excess heat.
常温核融合とは、室温での核融合現象を言い、大きな熱量を発生します。

When Stanley Pons and Martin Fleischman announced, at a press conference in 1989, that they'd discovered cold fusion a great swathe of publiscity followed, and in hot pursuit was one of the greatest scandals of modern science when the results turned out to be impossible to reproduce.
スタンレー・ポンズとマーチン・フライシュマンが1989年の記者会見で常温核融合を発見したと発表したとき、洪水のような報道が続きましたが、その現象が再現できないと分かった時、一転して近代科学の最も大きいスキャンダルとなりました。

Cold fusion was at this point dismissed as a nonsense by many.
この時点で、常温核融合は多くの人から馬鹿げた話だと片付けられるようになりました。

Back in 2007, the session took place on the last day of the meeting when most people had already gone home, and was tucked away in a room that was a ten-minute walk from the main sessions, and only a handful of people attended - all who knew one another already.
2007年に(米国化学会で行われた常温核融合の)セッションは、ほとんどの参加者が家に帰ったあとの最終日に行われました。会場も中心地から歩いて10分もかかる場所で、参加者はみんな顔見知りの人ばかりでした。
★3年前は復帰したとはいえ、かなり低レベルの扱いだったのですね。

How times change.
これがどう変わったでしょうか。

This year the "low energy nuclear reactions" (LENR) sessions took place over the first two days of the conference, in rooms that are not at all hard to find, and also with many more attendees.
今年、「低エネルギー核反応」(LENR)セッションは、大会の最初の2日間に開催され、たやすく見つかる部屋で、より多くの人達が参加しました。

The ACS press office even publicised the event and gave a press conference to the speakers.
米国化学会の広報は、このセッションの宣伝さえして、記者会見の機会を発表者に与えました。

So why the change?
なぜこんなに変わったのでしょう?

It's not clear.
明確ではありません。

Jan Marwan, from his own private research institute in Berlin, said in the press conference that the field of low energy nuclear reactions has made great progress, and urged people to take a closer look.
Jan Marwan氏は、彼の運営するベルリンの民間調査機関から来訪し、記者会見で低エネルギー核反応の分野が、大きく進歩していると言って、人々がより詳しく調べるべきだと促しました。
★常温核融合研究の中に余りドイツは顔を出さないように思ったのですが、こういう来訪者もあったのですね。

"There is very strong experimental evidence in terms of excess heat, helium, tritium emission, in terms of nuclear transmutation.
Strong experimental evidence." 
「実験によって、過剰熱の発生を示す強い証拠や、核変換を示すヘリウム、トリチウムの排出の強い証拠が示されています。これらは非常に強力な実験結果です。」

One of the presentations that was paraded in the press conference was by Mel Miles from Dixie State College in St. George, Utah.
記者会見で披露されたプレゼンテーションの1つは、セントジョージ(ユタ)のデキシーステートカレッジのMel Miles氏が行いました。

Miles has created a new super-accurate calorimeter, using the physics of Martin Fleischman, one of the men behind the original cold fusion scandal.
Miles氏は新しい非常に正確な熱量計を作成しました。これは、常温核融合スキャンダルの渦中の人だったマーチン・フライシュマンの物理学理論を使っています。
★熱量計の作成は難しい課題だとは思いますが、常温核融合発表の代表として取り上げるのは、ちょっとピント外れの感じがします。

Miles's inexpensive calorimeter should be able to pick up traces of excess heat in cold fusion reactions, he says, although so far he has just been calibrating the instrument and not tested any reactions yet.
マイルの安価な熱量計は常温核融合反応で発生する過剰熱を確実に計測できると彼は言います。しかし、今までのところ、まだ機器の較正中で、実験に使ったことはありませんが。

The instrument cost less than $50 and is made from simple copper tubing and filled with engine oil as a heat-transfer liquid.
この装置は、50ドル以下のコストであり、単純な銅の管材料から作られており、熱伝導用のエンジン・オイルで満たされます。

I popped in to hear Miles talk in the session, and afterwards he kindly posed with his calorimeter for me.
私はMilesの発表を聞き、その後、彼は私のために熱量計と一緒にポーズをとってくれました。

Marwan claims that lots of people are now becoming more interested in cold fusion and LENR reactions.
Marwanは、多くの人々が常温核融合とLENR反応に関心を持つようになっていると主張します。

It seems, at least from the publicity that was generated at the meeting, that he might be right.
少なくともこの大会での発表を見ると、彼が正しいようにも思えます。

But I am surprised that the phrase cold fusion is being bandied around so generously by these people.
しかし、私は、「常温核融合」というフレーズがこれらの人々によって気軽に言いふらされているのに驚いています。

The phrase has met with little more than derision in the past.
このフレーズは、かつては物笑いの種だったのです。

But people continue to present work where they claim that nuclear reactions produce excess heat.
しかし、彼らは、核反応が過剰熱を発生させているとする成果を提示し続けています。

Is it cold fusion, though?
常温核融合なのでしょうか?

Part of me wishes it were, so that the world's energy crisis could be solved in one fell swoop.
そうであって欲しいと思わない訳ではありません。一発で世界のエネルギー危機を解決できるのですから。

But I'm still not convinced. 
しかし、私はまだ確信していません。

The discussion about excess heat in these reactions could be one of semantics, says Michael McKubre, of SRI International in Menlo Park, California.
過剰熱についての議論は意味論のひとつではないかとメンローパーク(カリフォルニア)のSRIインターナショナルのMichael McKubre氏は言います。
★申し訳ありませんが、この文の意味が良く分かりませんでした。過剰熱はひとつの側面に過ぎないと言っているのか、他の事を言っているのか理解できていません。

Presumably by this he is alluding to the controversial nature of the phrase cold fusion.
おそらく彼は常温核融合というフレーズが論議を呼んだ性質について暗示しています。

He asserts that LNER is no longer an oddity.
彼は、LNERがもう奇異でないと断言します。

Others don't agree.
しかし、同意しない人もいます。

One person who was once a huge devotee of cold fusion, Steve Krivit, a journalist from the magazine New Energy Times has changed his mind.
かつて常温核融合の愛好家であり、New Energy Times誌のジャーナリストのSteve Krivit氏は心変わりしました。

Krivit didn't give a talk this year but he prepared some thoughts about the session at the ACS this year.
Krivitは今年、講演しませんでしたが、今年の米国化学会のセッションについての考察を準備しました。

You can read about Krivit's change of heart here.
ここ(以下のURL)でKrivitの気持ちの変化について読めます。

At the press conference, McKubre dodged a question about when commercial applications of cold fusion might be realised.
記者会見では、McKubreは常温核融合の商用化の時期に関する質問をかわしました。

I think avoiding that question was a sensible decision.
その質問を避けるのは賢明だったと思います。

Posted by Katharine Sanderson
キャサリン・サンダーソンによる投稿

on March 22, 2010
2010年3月22日に
■終了

以上

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