2014年3月30日日曜日

常温核融合コロキウムで発表された水野忠彦博士の実験の衝撃

MITで開催された2014 Cold Fusion Colloquium (2014年 常温核融合コロキウム)では、多くの常温核融合研究者が発表を行いました。会場は世界中から集った研究者で満席状態だったようです。

たいへん重要な会議だったと思いますが、相変わらず大手メディアは殆ど取り上げていません。しかし、Cold Fusion Now!のRuby Caratさん、ミュージシャンでかつてMITにNANORを見に行ったBarry Simonさん、Vortex-lメーリングリストに投稿してくれたSteve Highさん等、草の根レポーターが参加して、ほぼリアルタイムに発表の状況を教えてくれました。以下のリンク先にこれらの皆さんのレポートが公開されています。


さて、コロキウムの中でとりわけ注目を集めたのが、日本の水野忠彦博士の発表でした。早速、Jed Rothwell氏が使われたスライドを整備して公開してくれています。この発表については、E-Cat Worldでも紹介されました。
この発表が注目された理由は幾つかあります。
一つ目は、登壇したクリーンプラネット社のファウンダー・チェアーである吉野英樹氏が非常に若く、かつ、LENRを明に事業化支援の対象としている点です。日本にも常温核融合に本格的に投資するエンジェルが現れたに違いないと、ウォッチャーの間で話題になりました。とても素晴らしいことだと思います。


二つ目は、発表で示された水野忠彦博士の実験装置が、非常に良い過剰熱発生を示していた点です。35日間にわたり、最高78ワット、トータルで108MJの過剰熱を検出しています。
装置は以下のような形状をしています。
まだ実働はしていないように思えますが、将来に向けた大型装置の写真も載っており、この装置が実用化を強く意識したものである事が伺えます。
三つ目は、この装置がガスの分子量測定器を備えていて、反応時のガスの組成を計測した結果が示されている点です。ロッシ氏のE-Catはビジネスに備えて内部のノウハウを秘匿する姿勢を採ってきているため、学術的なメカニズムの解明には使えないものでした。しかし、今回の「水野リアクター」では、反応時のガス組成のデータ等を発表しており、これがメカニズム考察の上で非常に興味深いものとなっています。下の図を見ると、分子量4のガスは減少、分子量3のガスは最初増加して、その後微減、分子量2のガスは増加と組成が変化しており、この状態が右の対照系とは全く異なる事が読み取れます。
この反応の正体について、水野博士は仮説を持っておられるようですが、理論はさっぱり分からないので割愛します(笑)。

この水野リアクターの今後には非常に期待します。クリーンプラネット社と合わせて応援したいと思います。

以上










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