2016年8月21日日曜日

日本原子力学会関西支部で開かれた常温核融合の講演会

既に半年前の話ですが、日本原子力学会関西支部で三菱重工の鶴我薫典氏と東北大学の岩村康弘特任教授を招いた講演会が2016年2月10日に開かれていました。
講演題目1:「新しい元素変換反応現象について」
講演者  :三菱重工業(株) 技術本部 総合研究所 鶴我 薫典 氏
講演題目2:「凝集系核反応研究の現状と今後について」
講演者  :東北大学 電子理光学研究センター  岩村 康弘 特任教授
日本原子力学会の主催で元素変換や凝縮系核反応(常温核融合)の講演会が開かれる時代になったのですね。



以上

三菱重工技報に載ったナノ多層膜重水素透過法による元素変換

三菱重工は、元素変換の研究を岩村康弘博士と共に全て東北大学に移管したのかと思っていたのですが、これは私の誤解でした。「常温核融合は本当だった! その15」に載った記事を見て気が付きました。

三菱重工技報 第52巻第4号に、「重水素透過によるナノ構造多層反応膜上での元素変換反応」という論文が掲載されました(英文はここ)。目次は以下に掲載されています。



この論文は、岩村博士が発見した元素変換のこれまでの成果を振り返るものになっています。


注目すべきは、論文の著者に、鶴我 薫典氏(技術統括本部総合研究所電気・応用物理研究部)等、三菱重工のメンバーが名を連ねているところかと思います。最後の「まとめ」には以下のように記されており、三菱重工としても研究・実用化を継続していくと読み取れます。今後の成果に期待しましょう!
以上述べたように,反応収量の増大など実用化に向けて進展はあるものの,反応の原理を含め本現象の本質はまだ明らかになっていない。しかし,放射性廃棄物処理への展開など,従来にない革新的な新技術になる可能性があり,引き続き現象の解明を行いつつ,実用化に向けた研究を推進していきたい。
なお,東北大学 岩村特任教授,伊藤客員准教授には,当社在籍中より本研究の推進に多大なるご貢献を頂いており,感謝致します。 

以上